犬がドッグフード食べないときの完全対策マニュアル|獣医が教える原因・見分け方・緊急時のサイン

犬がドッグフード食べないとき ドッグフード
  1. はじめに
  2. 緊急時の見分け方
    1. 食べない時間の長さに注目する
    2. 嘔吐や下痢が続く場合
    3. 元気がなく、動かない・反応が鈍い
    4. 痛みや震えのサイン
    5. 水の飲み方にも異常が出る
    6. 呼吸と体温のチェック
    7. 歯ぐきと皮膚のチェック
    8. 緊急時に飼い主ができること
  3. 「食べたくない」と「食べられない」の違い
    1. 「食べたくない」とは(食欲不振)
      1. 主な原因
      2. 見分けるポイント
      3. 対策のヒント
    2. 「食べられない」とは(摂食困難)
      1. 主な原因
      2. 見分けるポイント
      3. 対策のヒント
    3. 飼い主ができる観察と記録のコツ
      1. 記録例
    4. 観察力が愛犬を守る
  4. 犬がドッグフードを食べない主な原因
    1. 体のトラブル|体調不良や病気が原因の場合
      1. 口の中の異常
      2. 消化器系の疾患
      3. 慢性疾患・内臓の不調
      4. 感染症や発熱
    2. 心のストレス|感情や環境変化による食欲低下
      1. 生活環境の変化
      2. 音や刺激による恐怖
      3. 飼い主との関係や家庭内の変化
      4. トラウマや過去の経験
    3. 環境や食事の問題|フードそのものに原因がある場合
      1. フードの嗜好性(味や匂い)の問題
      2. フードの形状や硬さ
      3. 偏食・おやつの与えすぎ
      4. 食事環境の影響
    4. 原因が複合している場合
    5. 飼い主にできるチェックリスト
  5. おうちでできる具体的な対策
    1. ドッグフードをふやかす方法(実践編)
      1. 基本手順
      2. コツと注意点
    2. 食事のリズムを整える
      1. 実践方法
    3. おやつの与え方を見直す
      1. 見直しポイント
      2. 与えすぎを防ぐコツ
    4. フードを温める・トッピングで香りをプラス
      1. おすすめのトッピング
      2. 注意点
    5. 静かで安心できる食事環境を整える
      1. 環境づくりのヒント
      2. 心理的ケア
    6. 適度な運動で食欲を刺激する
      1. おすすめの運動
      2. 注意点
    7. 日々の工夫で食べる力を取り戻す
  6. 年齢や体質に合わせたケア
    1. シニア犬(高齢犬)の場合
      1. 主な原因
      2. 対策
      3. ワンポイント
    2. 子犬の場合
      1. 主な原因
      2. 対策
      3. ワンポイント
    3. アレルギー体質の犬の場合
      1. 主な原因
      2. 対策
      3. ワンポイント
    4. 特殊なケース|病気の回復期や術後
      1. 対策
      2. ワンポイント
    5. 飼い主へのアドバイス
  7. まとめ

はじめに

犬がドッグフードを食べないと、飼い主さんはとても心配になります。

けれども、焦らず落ち着いて観察することが大切です。

この記事では、犬がドッグフードを食べないときに考えられる原因や見極め方、そして家庭でできる実践的な対策を、高校生にもわかる言葉でやさしく解説します。

緊急時の見分け方

犬がドッグフードを食べないといっても、すべてが深刻な病気とは限りません。

しかし、なかには命に関わるサインが隠れていることがあります。

飼い主が早めに気づくことができれば、救える命も多いのです。

この章では、どんなときに緊急対応が必要かを、症状ごとに詳しく説明します。

食べない時間の長さに注目する

健康な成犬が1日以上まったく食べないのは、明らかに異常です。

とくに子犬は体が小さく、エネルギーの貯えが少ないため、8〜16時間食べないだけでも命に関わることがあります。

高齢犬も代謝が低く、体力が落ちているため、半日以上食べない状態が続いたら要注意です。

「昨日から食べていないけど元気そうだから大丈夫」と思わず、早めに受診しましょう。

嘔吐や下痢が続く場合

嘔吐や下痢は一時的な食べすぎや消化不良でも起こりますが、何度も繰り返す場合や血が混じる場合は要警戒です。

血の色が赤いときは胃や腸の粘膜からの出血、黒っぽいときは胃や十二指腸からの出血の可能性があります。

脱水も進みやすいため、水分補給が難しい場合はすぐに動物病院で点滴を受ける必要があります。

元気がなく、動かない・反応が鈍い

普段は飼い主が帰ると尻尾を振る犬が、無反応だったり、呼んでも動かないようなときは危険信号です。

発熱、貧血、内臓疾患、中毒など多くの病気が考えられます。

元気のなさは「疲れているだけ」と誤解されがちですが、命を落とす直前まで症状を隠す犬も多いため、少しでも違和感を覚えたら診察を受けましょう。

痛みや震えのサイン

犬が体を震わせる、低い声で鳴く、特定の部位をかばう、触られるのを嫌がる場合は痛みを感じている証拠です。

腰やお腹の痛みは椎間板ヘルニアや膵炎などの可能性があります。

小型犬では関節の脱臼や骨折も多く、見た目では分からないこともあります。

震えが止まらないときは体温が下がっている場合もあるため、毛布などで保温しながら動物病院へ向かいましょう。

水の飲み方にも異常が出る

水をまったく飲まないときは脱水のサインであり、逆に異常にたくさん飲むときは糖尿病や腎臓病、ホルモンの異常(クッシング症候群など)が考えられます。

飲水量は普段の2倍以上になっていないか確認しましょう。

また、急にトイレの回数が増えた、尿の色が薄いなどの変化も見逃してはいけません。

呼吸と体温のチェック

呼吸が浅く速い、苦しそうにしている、息が荒いなどの状態は非常に危険です。

肺炎、心臓病、熱中症、中毒などが考えられます。犬の平常時の呼吸数は1分間に約20〜30回、体温は38〜39℃前後です。

これを大きく超える場合はすぐに病院へ。

特に夏場は熱中症による急変が多く、数分の遅れが命取りになることもあります。

歯ぐきと皮膚のチェック

歯ぐきが乾燥していたり、白っぽくなっている場合は脱水や貧血の可能性があります。

健康な犬の歯ぐきはピンク色でしっとりしています。

皮膚の弾力も目安になり、つまんで離したときにすぐ戻らない場合は体内の水分が不足しています。

これも緊急受診の目安となります。

緊急時に飼い主ができること

もしこれらの症状がある場合、まずは落ち着いて犬の状態を観察しましょう。

体温を測る、歯ぐきの色を確認する、呼吸数を数えるなど、病院で伝えるための情報を集めます。

無理に食べさせたり薬を与えたりせず、できるだけ早く動物病院へ。

夜間や休日でも、救急対応している動物病院を探して連絡することが大切です。

愛犬の「食べない」は、時に命を知らせるサインです。

毎日のちょっとした変化に気づけるように観察を続けましょう。

「食べたくない」と「食べられない」の違い

犬がドッグフードを食べないとき、その行動の裏には「食べたくない」と「食べられない」という2つの全く異なる理由が隠れています。

この区別を正しく理解することが、原因を見極める第一歩です。

ここでは、それぞれの特徴と見分け方、そして飼い主が行うべき観察ポイントを詳しく解説します。

「食べたくない」とは(食欲不振)

犬が「食べたくない」と感じるときは、そもそも食欲が低下している状態です。

体が食べ物を欲していないため、フードを見てもにおいをかいでも無反応です。

次のような要因が考えられます。

主な原因

  • 軽い体調不良(胃もたれ、疲労、発熱など)
  • 気温の上昇(夏バテなど)
  • ストレス(引っ越し、家族構成の変化、大きな音)
  • 精神的な不安(飼い主の不在、叱られた後など)
  • フードの嗜好性の低下(味に飽きた、酸化して匂いが変わった)

見分けるポイント

  • フードにまったく興味を示さない。
  • 食器に近づかず、においをかいでも立ち去る。
  • お気に入りのおやつにも反応しない場合がある。
  • 元気がない、動きが鈍い。

対策のヒント

  • まずは体調をチェック(熱、下痢、嘔吐、元気の有無など)
  • 静かで落ち着いた環境を整える。
  • 一時的に嗜好性の高いウェットフードやスープを試す。
  • 暑い時期は涼しい場所で食事を与える。
  • 食欲が戻らない場合は動物病院で血液検査などを受ける。

「食べられない」とは(摂食困難)

「食べられない」ときは、食欲自体はあるのに物理的な痛みや違和感が原因で口を使えない状態です。

食べようとしても途中でやめてしまう、食べたフードをこぼすなどの行動が見られます。

主な原因

  • 歯周病や歯のぐらつき、歯の破損
  • 口内炎、舌や頬の炎症
  • 歯根膿瘍(歯の根に膿がたまる病気)
  • 口腔内腫瘍
  • 異物(木の枝、プラスチック片など)が口の中に詰まっている
  • 顎関節や筋肉の痛み

見分けるポイント

  • フードの匂いには反応して近づくが、食べようとした瞬間にやめる。
  • 食べるときに頭を傾けたり、口を片側だけで使う。
  • よだれが多く出る、口臭が強くなる。
  • 顔を触られるのを嫌がる。
  • 硬いドライフードだけを拒むが、柔らかいものは食べる。

対策のヒント

  • 無理に食べさせず、まずは口の中を確認する。
  • 歯石や歯ぐきの腫れがある場合は早めに歯科治療を受ける。
  • ふやかしたフードやウェットタイプに切り替える。
  • 異物が見える場合でも、無理に取らずに獣医師に相談する。
  • 日常的に歯磨きや口腔チェックの習慣をつける。

飼い主ができる観察と記録のコツ

「食べない」という行動をただ報告するよりも、「どのくらいの時間食べないか」「どんなときに拒否するか」「おやつや水への反応」などを細かく記録すると、獣医師が診断しやすくなります。

記録例

  • 食事の時間と食べた量
  • フードの種類(銘柄や賞味期限)
  • おやつや他の食べ物への反応
  • 嘔吐や下痢の有無
  • 口の中を触ったときの反応

こうした記録は診察時にとても役立ちます。

小さな変化を見逃さないことが、早期発見につながります。

観察力が愛犬を守る

犬は言葉を話せないため、「食べない」という行動が唯一のサインであることもあります。

飼い主がそのサインを正しく読み取り、早めに対応することで、病気の悪化を防ぐことができます。

観察力と記録が、愛犬の命を守る最大の武器です。

犬がドッグフードを食べない主な原因

犬がドッグフードを食べない理由は、単純ではありません。

ひとつの原因ではなく、複数の要素が重なって起こることが多いのです。

この章では、「体のトラブル」「心のストレス」「環境や食事の問題」の3つの視点から、より詳しく原因を掘り下げていきます。

体のトラブル|体調不良や病気が原因の場合

体の不調は、犬がドッグフードを食べない最も重要な原因のひとつです。

特に痛みや不快感を伴うと、犬は食べる意欲をすぐに失ってしまいます。

口の中の異常

歯周病や歯のぐらつき、歯の破損、口内炎、歯根膿瘍などは、噛むたびに痛みを伴うため、犬がフードを口にしなくなります。

口臭が強くなったり、片方の歯でしか噛まない場合は要注意です。

定期的な歯磨きや歯科検診で早期発見・治療が大切です。

消化器系の疾患

胃腸炎や膵炎、肝炎、異物の誤飲などは、吐き気や腹痛を引き起こし、食欲を大きく減退させます。

嘔吐や下痢、腹部の膨張、食後に体を丸める姿勢が見られたら、すぐに獣医師に相談しましょう。

膵炎の場合、脂肪分の多い食事や人間の食べ物が引き金になることもあります。

慢性疾患・内臓の不調

腎臓病や心臓病、糖尿病、甲状腺疾患なども食欲不振を引き起こします。

特に高齢犬では多い病気です。

「水をたくさん飲む」「尿が多い」「息が荒い」「動きが鈍くなった」などの変化が見られたら、血液検査で原因を確認することが重要です。

感染症や発熱

ウイルスや細菌感染による発熱、関節炎などの痛みも犬の食欲を奪います。

ワクチン未接種の犬では、パルボウイルス感染症など命に関わる感染症のリスクもあります。

体温が高い、元気がない、震えているときはすぐ受診しましょう。

心のストレス|感情や環境変化による食欲低下

犬は非常に繊細な動物で、環境や人間関係の変化に敏感です。

ストレスは自律神経に影響し、消化機能の低下や食欲不振を引き起こします。

生活環境の変化

引っ越し、家具の配置換え、模様替えなど、犬にとって環境の変化は大きなストレスです。

新しいにおいや音に慣れるまで時間がかかるため、一時的に食欲が落ちることがあります。

数日経っても回復しない場合は、軽い不安症の可能性も考えられます。

音や刺激による恐怖

雷、花火、掃除機の音など、大きな音がストレスの原因になることもあります。

このような場合は、静かな環境を作り、落ち着ける場所(クレートや毛布など)を確保してあげましょう。

怖がる犬を無理に励ましたり、叱ることは逆効果です。

飼い主との関係や家庭内の変化

飼い主が不在になる時間が増えた、家族に赤ちゃんが生まれた、新しいペットが増えたなどの変化も、犬にとっては大きなストレスです。

飼い主の感情(怒りや不安)は犬に伝わりやすく、食欲に影響を与えます。

スキンシップや声かけを増やして安心感を与えましょう。

トラウマや過去の経験

保護犬や虐待経験のある犬では、「食事の時間=怖い記憶」が結びついていることもあります。

この場合、食事環境の見直しと時間をかけた信頼関係の構築が必要です。

環境や食事の問題|フードそのものに原因がある場合

ドッグフードを食べない原因の中には、病気やストレスではなく、食事そのものに問題があるケースもあります。

フードの嗜好性(味や匂い)の問題

犬は嗅覚が人間の約100万倍あるといわれ、匂いが気に入らないと食べません。

フードが古い、酸化している、保存方法が悪い場合、脂肪分が酸化して匂いが変化します。

開封後1か月以内に使い切るのが理想です。

フードの形状や硬さ

粒が大きすぎる、硬すぎるフードは特に小型犬やシニア犬には食べにくいです。

粒のサイズを小さいものに変えたり、ぬるま湯でふやかすだけでも食いつきが改善することがあります。

偏食・おやつの与えすぎ

おやつや人間の食べ物を頻繁に与えると、犬は「もっとおいしいものがもらえる」と学習してしまい、ドッグフードを拒むようになります。

しつけやご褒美は少量にとどめ、1日のカロリーの10〜20%を超えないようにしましょう。

食事環境の影響

食べる場所が落ち着かない、騒がしい、他の犬が近くにいるなどの状況では、犬は安心して食事ができません。

静かで安心できるスペースで与えることが大切です。

犬によっては照明や食器の材質にも好みがあり、ステンレスの反射や金属音を嫌がる子もいます。

原因が複合している場合

実際には、これらの原因がいくつも重なっていることが多いです。

たとえば、高齢犬が歯周病による痛み(体のトラブル)で食欲が落ち、運動不足(環境要因)によって代謝が低下し、さらに飼い主の不安(心理的影響)が加わるといった具合です。

このような場合、ひとつの方法では改善が難しいため、複合的な視点での対応が求められます。

飼い主にできるチェックリスト

以下の項目を確認することで、原因をある程度絞り込むことができます。

観察項目 チェックポイント
口の中 匂い・歯石・出血・異物
体調 元気・体温・下痢・嘔吐
飲水量 急な増減がないか
環境 騒音・照明・他の動物の存在
フード 鮮度・保存状態・種類変更の有無
心の状態 不安・孤独・ストレス要因

こうしたチェックをもとに、原因を一つずつ排除していくことが重要です。

犬がドッグフードを食べないときは、「どこが悪いのか」ではなく、「どんな変化が起きているのか」を観察することが、解決の第一歩です。

おうちでできる具体的な対策

犬がドッグフードを食べないとき、病気でない場合は、家庭でできる工夫や環境の見直しで改善できることが多くあります。

この章では、飼い主が日常的に取り入れられる実践的な対策を、より詳しく紹介します。

ドッグフードをふやかす方法(実践編)

ドライフードをふやかすことで香りが強くなり、嗅覚の衰えたシニア犬や歯の弱い犬でも食べやすくなります。

また、水分摂取量を増やす効果もあるため、脱水予防にも役立ちます。

基本手順

  1. ドッグフードを器に入れる(1食分の量を正確に測る)

  2. 30〜40℃のぬるま湯をフード全体が軽く浸る程度に加える

  3. 10分ほど待ち、フードが柔らかくなったら軽く混ぜる

  4. 指で触って「人肌程度」になっているのを確認したら与える

  5. 残った水分にも栄養が溶けているため、捨てずに一緒に与える

コツと注意点

  • 熱湯はビタミンを壊す可能性があるためNG。
  • 電子レンジで温める場合は、10〜15秒を目安に短時間で。
  • ウェットフードを少し混ぜると香りが強まり、さらに食いつきが良くなる。
  • 夏場は常温で短時間、冬場は少し温かめにすると効果的。

食事のリズムを整える

犬にとって食事の時間が不規則だと、体内時計が乱れ、食欲も不安定になります。

「決まった時間に食べる」習慣をつけることで、自然と食べる意欲が戻ることがあります。

実践方法

  • 朝と夕方など、毎日ほぼ同じ時間に与える。
  • 食器を出してから15〜30分で片付ける(だらだら食べさせない)。
  • 食べなかった場合でも、おやつや他の食べ物をすぐ与えない。
  • 水はいつでも新鮮なものを用意する。

この「メリハリのある食事ルール」を守ることで、犬は「今食べないと次はない」と学習し、食欲が自然に戻りやすくなります。

おやつの与え方を見直す

犬にとっておやつはご褒美であり、楽しみのひとつです。

しかし、あげすぎると主食であるドッグフードを食べなくなります。

見直しポイント

  • おやつの量は1日の総摂取カロリーの10〜20%以内に。
  • 「おやつ=特別なご褒美」として使う(トレーニング時など)。
  • 食欲が落ちている期間は一時的におやつを中止する。
  • フードの一部をトレーニング用に利用し、習慣を崩さない。

与えすぎを防ぐコツ

  • 家族全員でルールを共有し、誰がどれだけ与えたかを記録する。
  • おやつを与える代わりにスキンシップや散歩で満足感を与える。

フードを温める・トッピングで香りをプラス

嗅覚の鋭い犬にとって、香りは食欲を刺激する最大の要素です。

フードを少し温めるだけでも、風味が広がり食いつきが良くなります。

おすすめのトッピング

  • 無塩のボーンブロス(骨スープ)やチキンスープ
  • 犬用の無塩かつお節や煮干し粉
  • 刻んだゆで野菜(にんじん、さつまいも、かぼちゃなど)
  • 少量の魚油(オメガ3脂肪酸)やヨーグルト(乳糖が平気な場合)

注意点

  • 香りづけは少量で十分。主食よりトッピングが多くならないように。
  • 人間用の調味料(塩、しょうゆ、バターなど)は絶対に使わない。
  • フードを温めすぎないように、人肌程度をキープ。

静かで安心できる食事環境を整える

犬が安心して食べるためには、静かで安全な場所が必要です。

騒がしい環境や人の出入りが多い場所では、犬は集中できません。

環境づくりのヒント

  • テレビや掃除機などの音を避けた場所を選ぶ。
  • 他のペットと距離をとる(特に多頭飼いの場合は別室で)。
  • 食器は滑りにくく、安定感のあるものを使用する。
  • 大型犬やシニア犬には、高さのある食器スタンドを使うと楽な姿勢で食べられる。

心理的ケア

  • 落ち着いて食べられるように、飼い主が近くに座って声をかけてあげる。
  • 食べ終えた後はしっかり褒めて「食事=安心」と学習させる。

適度な運動で食欲を刺激する

運動は消化を促進し、ストレス解消にもつながります。

特に室内中心の生活をしている犬は、軽い運動だけでも食欲が変わります。

おすすめの運動

  • 朝夕の散歩を20〜30分ほど
  • ボール遊びや引っ張り遊びなど、楽しくできる遊び
  • 天候が悪い日は、室内で簡単なトレーニングを行う(「おすわり」「まて」など)

注意点

  • 食後すぐの激しい運動は避ける(胃捻転のリスクあり)。
  • シニア犬や病気の犬は、体調に合わせて無理のない範囲で行う。

日々の工夫で食べる力を取り戻す

「犬がドッグフードを食べない」状況は、飼い主の工夫次第で改善できることがほとんどです。

焦らず、少しずつ試すことが成功のコツです。食事の時間が「楽しい時間」となるように、香り・環境・リズムを整えてあげましょう。

毎日の小さな工夫が、愛犬の健康を守る大きな一歩になります。

年齢や体質に合わせたケア

犬がドッグフードを食べない理由は、年齢や体質、そしてその時々の健康状態によって異なります。

同じ「食べない」という行動でも、シニア犬と子犬では意味がまったく違うことがあります。

この章では、ライフステージや体質別に、原因と対策をより詳しく見ていきます。

シニア犬(高齢犬)の場合

高齢になると、代謝や消化機能が低下し、嗅覚や味覚も鈍くなります。

歯や顎の筋力が弱まることで、硬いドライフードを噛むのが難しくなり、自然と食欲が落ちていくことがあります。

主な原因

  • 歯周病や歯のぐらつきによる痛み
  • 嗅覚や味覚の衰えによる「香りを感じにくい」状態
  • 内臓機能の低下(腎臓、肝臓、心臓など)
  • 筋力の衰えや関節痛による活動量の減少
  • 環境の変化や孤独感による心理的ストレス

対策

  • 柔らかいセミモイストタイプやウェットタイプに切り替える。
  • ドライフードをぬるま湯でふやかして香りを強める。
  • 食器の高さを肩の位置に合わせ、首を下げずに食べられるようにする。
  • 1日2回だった食事を3〜4回に分けて少量ずつ与える。
  • グルコサミン、コンドロイチン、オメガ3脂肪酸などの関節サポート成分を取り入れる。
  • 寂しさを感じやすいため、食事中に声をかけて安心感を与える。

ワンポイント

食欲が落ちるのは加齢の自然な現象ですが、「食べる量が半分以下になった」「体重が急に減った」などの変化がある場合は病気が隠れている可能性があります。

定期的な健康診断を受けることが大切です。

子犬の場合

子犬は成長期のため、本来なら旺盛な食欲があります。

しかし、環境の変化やストレス、食事の与え方によって一時的に食べなくなることがあります。

主な原因

  • 新しい環境(ペットショップやブリーダーからの移動後)によるストレス
  • 消化機能の未発達による食べすぎ・胃もたれ
  • フードの切り替え時期の混乱
  • 食事時間の不規則さ
  • 運動不足や睡眠不足

対策

  • 安心できる静かな場所で食事を与える。
  • 1日3〜4回に分けて、少量ずつ与える。
  • 新しいフードに切り替えるときは、7〜10日かけて徐々に混ぜて移行する。
  • 食べやすい小粒タイプを選ぶ。
  • 手から数粒あげて、食事が「楽しいもの」と感じさせる。
  • 遊びすぎや興奮の直後は避け、落ち着いた時間に与える。

ワンポイント

食べないからといって、すぐにおやつや人間の食べ物を与えるのは逆効果です。

偏食の原因になるため、「食べる習慣」をしっかり育てましょう。

安心感と生活リズムが整えば、多くの子犬は自然に食欲を取り戻します。

アレルギー体質の犬の場合

食物アレルギーを持つ犬は、特定の食材を摂取すると皮膚のかゆみ、下痢、嘔吐などが起こり、その不快感からドッグフードを拒むことがあります。

アレルギーは遺伝的な体質だけでなく、長期間同じ食材を与え続けたことによって発症する場合もあります。

主な原因

  • 牛肉、鶏肉、乳製品、小麦、大豆などの一般的なアレルゲン
  • 合成添加物(着色料、保存料、香料)への過敏反応
  • 腸内環境の乱れによる免疫バランスの崩れ

対策

  • 獣医師に相談のうえ、アレルギー検査を受けて原因食材を特定する。
  • 「LID(限定原材料)」や「新奇タンパク質」フードを試す(例:鹿肉、カンガルー、魚など)。
  • 加水分解タンパク質を使用した療法食を検討する。
  • 腸内環境を整えるためにプロバイオティクスや食物繊維を補う。
  • 完全無添加フードやヒューマングレード品質を選ぶ。

ワンポイント

アレルギーの犬は「食べない=好き嫌い」ではなく、「体が拒否している」場合があります。

フードを変えるたびに症状をメモしておくと、原因特定がスムーズになります。

かゆみや赤み、便の状態なども重要な観察ポイントです。

特殊なケース|病気の回復期や術後

手術や病気の治療後、体力が低下している犬は一時的に食欲を失うことがあります。

これはエネルギー消費量の減少や薬の影響によるものです。

対策

  • 嗜好性の高いリカバリーフード(療法食)を使用する。
  • ふやかしたり温めたりして香りを引き立てる。
  • 1日3〜5回に分けて、少量ずつ与える。
  • 食べない場合は強制給餌ではなく、スプーンで少しずつ口元に近づける程度にとどめる。

ワンポイント

無理に食べさせるよりも、「食べようと思える環境」を作ることが大切です。

獣医師と相談しながら、徐々に通常の食事に戻していきましょう。

飼い主へのアドバイス

どの年齢・体質の犬にも共通して言えるのは、「食べない理由を決めつけない」ことです。

愛犬が食事を拒むときは、まずその背景にある体の変化・心の不安・環境の影響を総合的に見てあげてください。

焦らず、観察と工夫を重ねることが、健康への近道です。

まとめ

【今日からできる3つのこと】

  1. 体調チェック:異常があればすぐに動物病院へ。

  2. 食事環境の見直し:静かで落ち着ける場所を整え、時間を一定に。

  3. 小さな工夫:フードを温めたりトッピングを加えて、食べる楽しみを取り戻す。

犬がドッグフードを食べないときは、焦らずに原因を一つずつ探すことが大切です。

体調のチェック、環境の見直し、食事内容の工夫。

この3つを心がけることで、ほとんどの犬は食欲を取り戻します。

飼い主さんのやさしいサポートが、愛犬の「食べる力」を守る第一歩です。

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