あなたの犬も涙やけで悩んでいませんか?
目の下の毛が赤茶色に変わってしまうと、見た目の問題だけでなく、健康への影響も考えられます。
本記事では、涙やけの仕組みや原因、そしてドッグフードとの関係をわかりやすく解説します。
さらに、家庭でできるケア方法や実践のコツまで紹介します。
涙やけとは?その仕組みをやさしく理解しよう
涙やけとは、犬の目の下の毛が赤茶色や茶色に変わってしまう状態のことを指します。
見た目の問題として捉えられがちですが、実は体の内側で起こる代謝や涙の流れ方など、いくつかの生理的・化学的な要因が関わっています。
ここでは、涙やけのメカニズムをより深く理解するためのポイントを詳しく解説します。
ポルフィリンと酸化反応の仕組み
涙やけの主な原因となる「ポルフィリン」は、体内で赤血球が分解されるときに自然に作られる色素成分です。
鉄分を含むこの物質は、通常は尿や唾液などから体外に排出されます。
しかし、涙の中にも微量に含まれており、これが目の下の被毛に付着して空気中の酸素や光に反応すると、酸化反応が進んで赤茶色に変化します。
これはちょうど鉄が錆びるのと同じような現象です。
この酸化反応は、環境条件によって進行速度が異なります。
たとえば、高温多湿な環境では酸化が早く進み、変色が濃くなりやすくなります。
また、涙のpH(酸性・アルカリ性)のバランスも影響します。
アルカリ性に傾いた涙ではポルフィリンの酸化が進みやすく、より強い色素沈着が起こる傾向にあります。
涙の構成と役割
涙は単なる水分ではなく、主に3つの層から構成されています。
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脂質層:涙の表面を覆い、蒸発を防ぐ。
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水分層:目の表面を潤し、酸素や栄養を角膜に届ける。
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粘液層:涙を目の表面に均一に広げ、異物の除去を助ける。
このバランスが崩れると、涙の質が変化し、過剰な分泌や粘着性の増加が起こります。
特に脂質やタンパク質のバランスが乱れると、涙が乾きにくくなり、毛や皮膚への付着時間が長くなって酸化を促進します。
微生物の繁殖と皮膚への影響
涙やけ部分がいつも湿っていると、細菌やカビ(特にマラセチア菌)が繁殖しやすい環境になります。
マラセチアは脂質をエネルギー源とするため、涙に含まれる油分や皮脂を栄養にして増殖します。
その結果、独特の臭いやベタつき、皮膚の赤みやかゆみなどが現れることがあります。
放置すると皮膚炎が悪化し、被毛の脱落や色素沈着が強まることもあります。
涙やけが慢性化している場合、単に外見の変化だけでなく、皮膚の健康にも注意が必要です。
片側だけの涙やけの意味
もし片方の目だけに涙やけが見られる場合、それは「局所的な問題」である可能性が高いです。
考えられる原因には次のようなものがあります。
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片側の鼻涙管の詰まり(先天性・後天性)
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異物(砂・まつ毛など)の混入
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片側のまつ毛異常や眼瞼内反
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歯根の炎症による涙管への圧迫
一方で、両目に見られる場合は、アレルギーやフード成分による体全体の炎症反応が関係しているケースもあります。
そのため、症状が片側か両側かを観察することが、原因を見極める重要な手がかりとなります。
涙やけの悪化を防ぐ生活環境の工夫
涙やけを防ぐには、涙の酸化や微生物の繁殖を抑える生活環境を整えることが大切です。
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目のまわりを毎日清潔に保つ(1日1回はぬるま湯で清拭)
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風通しの良い場所で飼育し、湿気をためない
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給水器や食器を定期的に洗い、細菌の繁殖を防ぐ
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被毛が長い犬種は、目のまわりの毛を短くカットする
こうした小さな工夫を積み重ねることで、涙やけの再発を防ぎ、健康的な目元を維持することができます。
涙やけの主な原因を知ろう
涙やけの原因はひとつではなく、複数の要因が組み合わさって起こることが多いです。
涙の過剰分泌や排出障害、炎症、そして犬種特有の解剖学的特徴などが複雑に関わっています。
ここでは、それぞれの要因をもう少し詳しく見ていきましょう。
鼻涙管(びるいかん)の詰まりや狭窄
涙やけの最も一般的な原因は、涙の排出経路である「鼻涙管」が詰まっている、または狭くなっていることです。
涙は、目の表面を潤したあと、目頭にある小さな穴(涙点)を通って鼻へと流れます。
この流路のどこかに障害があると、涙が鼻へ抜けずに目の外へ溢れ出てしまうのです。
原因の種類
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先天性の問題:生まれつき涙点が小さい、または閉じている場合(涙点欠損)。
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後天性の問題:炎症や感染、異物の混入、怪我などで鼻涙管が塞がるケース。
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歯の病気との関連:特に上顎の奥歯の根が鼻涙管の近くにあるため、歯根炎や歯周病が原因で管が圧迫・閉塞することがあります。
診断と治療 獣医師はフルオレセイン染色試験という検査で鼻涙管の通りを確認します。染料を点眼して、数分以内に鼻から色が出れば正常です。出ない場合は、洗浄や内視鏡検査で閉塞部位を特定します。治療には「鼻涙管洗浄」という処置が行われ、麻酔下で管内を生理食塩水で通します。
涙の過剰分泌(流涙症)
涙が多く出すぎる状態も涙やけを引き起こします。
これは、目の表面に何らかの刺激や炎症があるときに起こる生理的反応です。
主な原因
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異物の混入:ホコリや砂、毛、草の種などが目に入ると、異物を洗い流すために涙が増えます。
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眼瞼内反(がんけんないはん):まぶたが内側に巻き込み、まつ毛が角膜に触れる状態。痛みや刺激で涙が止まらなくなります。
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睫毛重生(しょうもうじゅうせい):まつ毛が異常な方向に生える逆さまつげのことです。軽度でも慢性的な刺激となり、角膜を傷つけることもあります。
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角膜や結膜の病気:結膜炎、角膜潰瘍、ぶどう膜炎などの病気は強い痛みを伴い、涙の分泌量を大幅に増加させます。
チェックポイント
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目をしょぼしょぼさせていないか。
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片目だけに涙が多くないか。
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黄色や緑色の目やにが出ていないか(感染の可能性)。
これらの症状が見られる場合は、自己判断せず早めに獣医師へ相談することが大切です。
犬種による構造的な特徴
特定の犬種は、生まれつき涙やけを起こしやすい顔の構造をしています。
これは「短頭種」や「トイ種」と呼ばれる小型犬に多く見られます。
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短頭種(パグ、フレンチ・ブルドッグ、シーズーなど): 鼻が短く、顔が平たいため、涙を流す管が曲がりくねっています。さらに目が前に突出しているため、涙がこぼれやすく乾きやすい構造です。
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トイ種(トイプードル、マルチーズ、チワワなど): 骨格が小さく、鼻涙管が非常に細いため、ちょっとした炎症や粘液でもすぐに詰まってしまいます。
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長毛種(シーズー、ヨークシャーテリアなど): 目の周りの毛が長く、まつ毛や毛先が常に目を刺激するため、慢性的な涙やけの原因になります。
こうした犬種では、日常的なケア(毛のカットや清拭)を欠かさず行うことが、予防に直結します。
アレルギーや全身的な要因
涙やけは目の構造だけでなく、全身的な炎症反応によっても悪化します。
特に食物アレルギーやハウスダスト、花粉などが原因の場合、目のかゆみや結膜の充血を伴うことがあります。
体内で炎症が続くと涙の性質自体が変化し、粘度が上がって流れにくくなることもあります。
代表的なアレルゲン
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食材(牛肉、鶏肉、乳製品、小麦など)
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ダニ、ハウスダスト、花粉
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シャンプーや洗剤などの化学物質
このような場合は、原因物質の除去に加え、アレルギー対応のフードへの切り替えが必要です。
環境・生活習慣の影響
涙やけの発生や悪化には、生活環境も大きく関わります。
湿度が高く風通しが悪い環境では、涙が乾きにくく細菌が増えやすくなります。
また、ホコリや花粉の多い部屋も目を刺激し、涙を増やす原因となります。
改善のポイント
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室内の換気をこまめに行う。
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空気清浄機を使用してアレルゲンを減らす。
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清潔な寝床や食器を保つ。
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散歩後は顔や目の周りを軽く拭く。
これらを心がけることで、涙やけを悪化させる外的要因を減らすことができます。
食事と涙やけの深い関係
犬の健康状態は、日々の食事内容によって大きく左右されます。
体をつくる栄養素、代謝を支えるミネラル、そして腸内環境のバランス。
これらが整っていないと、涙の質や量にも影響が出て、涙やけを悪化させてしまうことがあります。
ここでは、食事と涙やけの関係を科学的な視点から掘り下げて解説します。
食物アレルギーが引き起こす涙やけ
涙やけの原因としてよく見られるのが、食物アレルギーです。
犬の体は、特定のタンパク質や穀物を「異物」として認識し、免疫反応を起こすことがあります。
すると、炎症性物質(ヒスタミンなど)が体内で放出され、皮膚のかゆみや発疹、涙の過剰分泌などが起こります。
代表的なアレルゲン食材
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牛肉、鶏肉、豚肉などの動物性タンパク質
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小麦、トウモロコシ、大豆などの穀物類
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乳製品、卵、魚など
涙やけのある犬に、同時に皮膚の赤みや耳のかゆみ、下痢などが見られる場合は、アレルギーが関係している可能性が高いです。
この場合、限定原材料フード(LID:Limited Ingredient Diet)やノベルプロテインフード(鹿肉・ダック・ラムなど)を試すのが有効です。
2〜3週間の食事トライアルで症状の変化を観察しましょう。
低品質な原料と栄養バランスの崩れ
市販の安価なドッグフードには、「肉副産物」「動物性脂肪」「ミール」などの曖昧な原料が使われていることがあります。
これらは、肉の加工過程で出た残渣(内臓や骨の粉など)を含み、栄養の吸収効率が悪いことが多いです。
消化が悪い食材は腸内でガスを発生させ、腸内細菌のバランスを崩します。
その結果、体内で老廃物が処理しきれず、涙や皮脂を通じて排出されようとします。
この過程で涙の性質が変化し、ポルフィリンの量や酸化速度が増して涙やけを悪化させるのです。
注意すべき原料表の表記例
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「肉類(チキン、ビーフなど)」とだけ書かれているものは要注意(具体的な部位が不明)。
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「動物性油脂」「副産物粉」など、出所の不明な脂質やタンパク源。
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人工的な香料や着色料が添加されている製品。
愛犬の健康を守るには、原材料の透明性が高いブランドを選ぶことが大切です。
たとえば「ヒューマングレード(人間が食べられる品質)」と明記されている製品は、基準が高く安心です。
人工添加物が体に与える悪影響
人工的な保存料や着色料、香料などは、一見するとフードの品質を保つために便利ですが、長期的には犬の体に負担をかける可能性があります。
よく使われる人工添加物の例
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BHA(ブチルヒドロキシアニソール)・BHT(ブチルヒドロキシトルエン):酸化防止剤。高濃度で発がん性の懸念あり。
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エトキシキン:家畜飼料用として使われる防腐剤で、肝機能への影響が指摘されています。
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人工着色料(赤色○号、黄色○号など):視覚的に美味しそうに見せるための添加物。犬にとっては不要で、アレルギー反応を起こすケースもあります。
こうした人工添加物を避けるには、天然由来の酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物など)を使用した製品を選ぶことがポイントです。
フードの保存期間を確認し、開封後は早めに使い切るようにしましょう。
腸内環境と涙やけの関係(腸-眼軸)
近年注目されているのが、「腸と目の健康はつながっている」という考え方、いわゆる腸-眼軸(Gut-Eye Axis)です。
腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、腸の壁から炎症性物質が血流に乗って全身へ広がり、目の粘膜にも悪影響を与えることが分かっています。
腸内環境が乱れている犬では、涙の成分にも変化が見られることがあります。
特に、腸内で発生する有害ガスやアンモニアなどが肝臓や腎臓に負担をかけ、結果として涙の代謝にも影響を及ぼすのです。
腸内環境を整えるポイント
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プレバイオティクス(オリゴ糖、食物繊維)を含むフードを選ぶ。
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プロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌)を定期的に摂取させる。
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腸の健康をサポートするオメガ3脂肪酸(サーモンオイル、亜麻仁油など)を補う。
腸が健康になると、体内の炎症が減少し、涙の質が改善されるため、結果的に涙やけも軽減します。
栄養のバランスと水分補給の重要性
涙やけ対策では、特定の成分を避けるだけでなく、全体の栄養バランスを整えることも欠かせません。
タンパク質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンが適切に配合された総合栄養食を選ぶことが基本です。
また、水分の摂取量が少ないと、涙が濃くなりポルフィリンの濃度が上がってしまいます。
ウェットフードやスープトッピングを併用して、自然に水分を取れるよう工夫するのも効果的です。
ドッグフード選びの実践アドバイス
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成分表の最初に**明確な動物性タンパク質(例:チキン、サーモン、ラム)**が記載されているか確認。
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人工保存料・着色料不使用を明記しているブランドを選ぶ。
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定期的にフードをローテーションし、同じ原料に偏らないようにする。
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初めて与えるフードは、7〜10日かけて徐々に切り替える。
これらを意識することで、涙やけだけでなく、消化・被毛・皮膚の健康にも良い影響を与えられます。
涙やけを防ぐためのドッグフード選びのポイント
涙やけを改善・予防するうえで最も効果的なアプローチのひとつが、ドッグフードの見直しです。
食事は愛犬の健康を支える基本であり、使用されている原材料や添加物の違いが涙やけの発生に大きく影響します。
ここでは、涙やけを防ぐためのフード選びの具体的な基準と、実際に選ぶ際のチェックポイントを詳しく説明します。
高品質な動物性タンパク質がメインであること
犬は本来、雑食性に近い肉食動物であり、動物性タンパク質が主要なエネルギー源です。
フードの主原料が肉であるかどうかは、涙やけ対策において非常に重要なポイントです。
良質なタンパク質源の例
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鶏ささみ:消化吸収が良く、アレルギーリスクも比較的低い。
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サーモン:オメガ3脂肪酸を多く含み、皮膚の健康と炎症抑制に役立つ。
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鹿肉・ラム肉:低脂肪・高タンパクで、アレルギーを起こしにくいノベルプロテイン。
また、原材料表を確認した際、最初に記載されている成分が「肉」または「魚」であるかを確認しましょう。
これは、そのフードに最も多く含まれている原料を意味します。
反対に、「穀類」「コーン」「小麦粉」などが最初に書かれているものは、主原料が炭水化物であり、タンパク質の質が低い傾向があります。
限定原材料(LID)フードを選ぶ
涙やけの原因が食物アレルギーや消化不良の場合、限定原材料(Limited Ingredient Diet)のフードが効果的です。
これは、使う食材を最小限に絞り、アレルゲンを特定しやすくしたタイプのドッグフードです。
LIDフードのメリット
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アレルギー反応を引き起こす可能性のある原料を減らせる。
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消化吸収の負担を軽減し、代謝を整える。
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食材構成がシンプルなため、体調変化の原因を分析しやすい。
最初は2〜3週間試して、涙の量や被毛の変化を観察することが推奨されます。
合わない場合は、別のタンパク源に切り替えましょう。
穀物(グレイン)との正しい付き合い方
「グレインフリー=健康に良い」と思われがちですが、必ずしもすべての犬にとって最良とは限りません。
犬にとって穀物はエネルギー源として有用であり、消化に優れた種類を選べば問題ありません。
おすすめの穀物例
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玄米:ビタミンB群と食物繊維が豊富で、血糖値を安定させる。
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オートミール:低アレルゲンで、胃腸にやさしく、便通の改善にも効果的。
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キヌア:グルテンフリーでミネラルが多く、筋肉の健康をサポート。
一方で、小麦やトウモロコシはアレルギー反応を起こしやすい犬もいるため、体質に応じて避けるほうが良いでしょう。
人工添加物の排除と天然由来の保存料
人工添加物は涙やけを悪化させる原因のひとつです。
特にBHA、BHT、エトキシキンなどの人工酸化防止剤は、長期摂取によって肝臓への負担やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
避けたい人工添加物の例
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人工着色料(赤色○号、黄色○号など)
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合成香料(食いつきをよく見せるための化学成分)
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合成保存料(BHA、BHT、エトキシキンなど)
代わりに、天然由来の保存料を使用したフードを選びましょう。
たとえば、ビタミンE(トコフェロール)やローズマリー抽出物は自然な抗酸化作用を持ち、健康に悪影響を与えません。
腸内環境を整える成分を含むこと
腸の健康は、涙やけの改善に欠かせない要素です。
腸内環境が乱れると、炎症が全身に広がり、涙の質が悪化します。
腸をサポートする成分を含むフードは、免疫バランスの安定にも役立ちます。
おすすめの成分
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乳酸菌・ビフィズス菌:善玉菌を増やし、腸内環境を整える。
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プレバイオティクス(オリゴ糖・食物繊維):善玉菌のエサとなり、腸内の発酵バランスを改善。
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オメガ3脂肪酸(魚油・亜麻仁油など):体の炎症を抑え、皮膚や目の健康をサポート。
これらの成分を含むフードは、涙やけだけでなく皮膚トラブルや口臭の改善にも効果的です。
人気の高いドッグフード例と選び方のコツ
現在、涙やけ対策として注目されているフードには次のようなブランドがあります。
| ブランド名 | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| モグワン | チキン×サーモンの高タンパクレシピ | グレインフリーで人工添加物不使用。嗜好性が高く食いつきが良い。 |
| このこのごはん | 国産無添加・小型犬専用設計 | 低脂肪で涙やけ・体臭対策に強い。国産素材使用。 |
| K9ナチュラル | フリーズドライの生食タイプ | 高タンパク・高消化率で自然に近い栄養を摂取できる。 |
| ナチュラルバランス L.I.D. | 限定原材料フード | アレルギー体質の犬にも対応。穀物不使用で高消化性。 |
選び方のコツ
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成分表の最初に明確な動物性タンパク質が記載されているか。
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保存料・着色料・香料の有無を確認する。
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体質に合わせて「グレインフリー」または「穀物入り」を選択する。
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最初は少量サイズで試し、体調や涙の変化を観察する。
フードの切り替え方と注意点
フードを切り替えるときは、7〜10日ほどかけて徐々に新しいフードの割合を増やしていくことが重要です。
急な切り替えは、消化不良や下痢を引き起こす恐れがあります。
切り替えの目安
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1〜3日目:旧フード75%+新フード25%
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4〜6日目:旧フード50%+新フード50%
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7〜10日目:旧フード25%+新フード75%
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11日目以降:新フード100%
また、フードを変更してから2〜3週間は便の状態や涙の量、被毛のツヤを観察しましょう。
すぐに効果が出なくても、継続することが大切です。
家でできる涙やけケアの実践方法
涙やけの改善には、食事の見直しと同時に日常的なケアが欠かせません。
目の周りの清潔を保つことは、涙やけの予防と改善の両方において最も基本的で効果的な方法の一つです。
ここでは、自宅で安全に実践できるケア方法とそのコツを詳しく紹介します。
清拭ケアの重要性と基本の流れ
涙やけの原因となる涙や分泌物をそのままにしておくと、細菌やマラセチア(酵母菌)が繁殖しやすい環境が生まれます。
そのため、毎日の清拭ケアが欠かせません。
以下の手順で、愛犬の目元を清潔に保ちましょう。
清拭手順
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準備:ぬるま湯または生理食塩水でコットンやガーゼを軽く湿らせます。アルコールや強い洗浄剤は使用しないようにしましょう。
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拭き取り:目の内側(目頭)から外側に向かって、やさしく1方向に拭き取ります。力を入れると皮膚が傷つくため注意が必要です。
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乾燥:清拭後は乾いた柔らかい布で水分を取り除き、湿ったまま放置しないようにします。湿気は細菌やカビの繁殖を招きます。
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仕上げ:必要に応じて、獣医師の指導のもとでホウ酸水や涙やけ専用ローションを使用します。皮膚に傷や炎症がある場合は使用を避けましょう。
ポイント
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清拭は1日1〜2回が目安です。特に朝と夜のケアを習慣化すると効果的です。
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コットンを使い捨てにし、左右の目で別のものを使用することで感染を防ぎます。
ケアに使える安全なアイテム
涙やけケアには、肌に優しく安全な素材を選ぶことが大切です。
以下のようなアイテムが役立ちます。
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無添加コットンまたはガーゼ:刺激が少なく、目の周りにも安心して使用できます。
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ペット用目元クリーナー:低刺激性で涙やけ除去に特化した製品。pHバランスが整っているものを選びましょう。
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生理食塩水:防腐剤無添加のタイプを使用。目に入っても安全です。
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涙やけ専用パウダーやローション:清拭後に使うことで、被毛を乾燥させ、再発防止に役立ちます。
また、道具は常に清潔に保ちましょう。
使用後はしっかり洗浄し、風通しのよい場所で乾燥させることがポイントです。
毛の長い犬種のトリミングケア
シーズー、マルチーズ、ヨークシャーテリアなどの長毛犬は、目の周りの毛が涙に触れやすく、刺激や雑菌の繁殖を招きやすい傾向があります。
そのため、定期的なトリミングが重要です。
トリミングのポイント
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目の周りの毛を短く整え、目にかからないようにする。
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毛が内側に向かって生えている場合は、プロのトリマーに相談する。
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自宅でカットする場合は、ペット用の丸刃ハサミを使用し、目を傷つけないよう慎重に行いましょう。
被毛が目に触れることで涙が増え、結果的に涙やけが悪化するケースもあるため、清潔な毛並みを保つことが予防の第一歩になります。
環境を整えて再発を防ぐ
涙やけは、生活環境によっても悪化します。
ホコリや花粉、カビなどのアレルゲンが多い環境では、目への刺激が増し、涙が過剰に分泌されます。
以下のような環境整備を心がけましょう。
環境改善のポイント
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寝床やクッションをこまめに洗濯し、清潔に保つ。
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食器や給水ボウルを毎日洗い、雑菌の繁殖を防ぐ。
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空気清浄機を活用し、花粉やホコリを減らす。
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室内の湿度を50〜60%に保ち、乾燥やカビの発生を防ぐ。
また、散歩のあとは顔周りを軽く拭いて、外の汚れやアレルゲンを持ち込まないようにすることも大切です。
サプリメントと併用ケア
ケアの補助として、涙やけ対策用のサプリメントを取り入れる方法もあります。
これらは体内から涙の質を改善し、再発を防ぐサポートをします。
主なサプリメント成分
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ルテイン・アスタキサンチン:抗酸化作用で目の健康を守る。
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ビタミンC・E:体内の酸化を防ぎ、免疫力を高める。
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プロバイオティクス:腸内環境を整え、全身の炎症を抑える。
ただし、サプリメントは薬ではないため、即効性は期待せず、3〜4週間継続して効果を確認するのがポイントです。
過剰摂取は避け、必ず製品の用量を守りましょう。
ケアを続けるためのコツ
涙やけケアは一度で完結するものではなく、「継続」が最も重要なポイントです。
毎日数分のケアを習慣化することで、少しずつ効果が現れます。
継続のための工夫
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毎日の散歩やごはんの後にケア時間を決めておく。
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カレンダーやスマホでケア記録をつけ、変化を見える化する。
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家族でケア当番を決め、負担を分担する。
愛犬の目元が清潔で健康的に保たれていれば、涙やけだけでなく、感染症や皮膚炎のリスクも減らせます。
日々のケアの積み重ねが、愛犬の快適な暮らしにつながるのです。
獣医師と協力して行う涙やけ対策
涙やけは、単なる「見た目の問題」ではなく、体の内部に潜む異常や慢性的な炎症反応のサインであることが多くあります。
そのため、自己判断でケアやフードを変えるだけでは根本的な改善に至らないケースもあります。
ここでは、獣医師との連携によって行う涙やけ対策について、診断の流れから治療方法、そして継続的なサポートの重要性まで詳しく説明します。
獣医師の診察を受けるタイミング
以下のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
受診をおすすめする症状
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涙の量が急に増えた、または片目だけに発生している。
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目の下が赤くただれている、かゆみや臭いがある。
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黄色や緑色の目やにが出ている(感染のサイン)。
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目をしょぼしょぼさせる、前足で頻繁にこする。
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角膜が白く濁って見える、または光を嫌がる。
こうした症状が見られる場合、単なる涙やけではなく、感染症・角膜損傷・鼻涙管閉塞などの疾患が関係している可能性があります。
早期診断・早期治療が、愛犬の目の健康を守る鍵です。
獣医師による診断の流れ
動物病院では、涙やけの原因を特定するために以下のような検査が行われます。
代表的な検査内容
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視診・問診:涙の量、目の形、まぶたやまつ毛の異常を観察します。生活環境や食事内容の聞き取りも行われます。
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フルオレセイン染色試験:蛍光色の染料を点眼し、角膜の傷(潰瘍)や鼻涙管の通りを確認します。数分後に鼻から染料が出なければ、管の閉塞が疑われます。
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シルマー涙液試験:専用の試験紙を下まぶたに挟み、涙の分泌量を測定します。過剰な涙か、逆に涙が少ないドライアイかを判別します。
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細菌培養検査:慢性的な炎症や感染が疑われる場合、涙や分泌物を採取して原因菌を特定します。
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画像診断(X線・CTなど):鼻涙管の構造異常や腫瘍の有無を調べることもあります。
これらの検査結果をもとに、獣医師は涙やけの根本的な原因を突き止め、最適な治療計画を立てます。
主な治療法とその目的
診断によって原因が特定された後、症状や体質に応じて以下のような治療が行われます。
(1) 鼻涙管洗浄 鼻涙管の詰まりが原因の場合に行われる処置です。鎮静または軽い麻酔のもとで、涙点から細いカテーテルを挿入し、生理食塩水で管内を洗浄します。詰まりが解消されると、涙が正常に鼻へ流れるようになります。
(2) 点眼薬・内服薬の投与 細菌感染や炎症がある場合は、抗生物質や抗炎症薬が処方されます。アレルギーが原因のときは、抗ヒスタミン薬やステロイド点眼が用いられることもあります。
(3) 外科的治療 まぶたが内側に巻き込む「眼瞼内反」や、まつ毛が異常な方向に生える「異所性睫毛」などの構造的な異常がある場合、外科手術による矯正が必要になることもあります。
(4) 食事療法・栄養管理 フードが原因で炎症やアレルギーが起こっている場合、獣医師は除去食試験やアレルギー対応フードへの切り替えを提案します。涙やけ改善のための栄養バランスを考慮し、オメガ3脂肪酸や乳酸菌の補給が勧められることもあります。
獣医師と連携した継続ケアの重要性
涙やけは一度改善しても、再発しやすいトラブルです。
原因が完全に解消されるまで、定期的な診察と経過観察を続けることが大切です。
継続ケアのポイント
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月1回の定期チェックで目の状態を確認。
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点眼薬やサプリメントは、医師の指示通りに使用を継続。
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フードを変更した場合は、少なくとも3週間は様子を観察し、再診時に報告する。
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家庭でのケア(清拭・環境管理)も同時に実施する。
また、涙やけは複数の要因(食事・アレルギー・構造的問題など)が重なっているケースが多いため、獣医師と飼い主の情報共有が重要です。
写真や動画で日々の状態を記録しておくと、診断や経過判断の助けになります。
専門医への紹介と高度医療の選択肢
一般の動物病院で改善が見られない場合や、先天的な構造異常が疑われる場合は、眼科専門の獣医師を紹介してもらうことも選択肢の一つです。
専門医では、マイクロスコープを用いた微細な手術や、CTによる詳細な構造解析など、高度な検査と治療が可能です。
特に、鼻涙管の複雑な閉塞や再発を繰り返す症例では、専門的な処置が改善への近道になります。
飼い主ができるサポートと心構え
獣医師との協力関係を築くうえで、飼い主にもできることがたくさんあります。
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診察時に、涙の量・色・臭い・左右差などを具体的に伝える。
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日々のケアや使用中のサプリ・フードの情報を共有する。
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指示された治療を中断せず、継続的に実施する。
涙やけは時間をかけて改善していく症状です。
焦らず、獣医師と二人三脚で取り組む姿勢が、最も確実で安全な方法です。
まとめ|今日から始める愛犬の健康ケア
まずは愛犬のフードの原材料をチェックし、人工添加物や低品質な原料がないか確認してみましょう。
これだけでも立派な第一歩です。
また、1日数分の目元ケアを続けるだけでも、涙やけの改善につながります。
大切なのは「続けること」です。
フードを変えたら2〜3週間は様子を見て、涙の量や毛の状態を観察しましょう。
少しずつでも続けることで、愛犬の目元は健康的で美しく変わっていきます。
あなたの小さな努力が、愛犬の快適な毎日をつくるのです。

